BSデジタルの番組多様化の理由
NHK以外の民放放送局にとって視聴率が低いということはスポンサーに対して高いCM料金を請求できないということであり、これは番組制作費に直結します。
しかも地上波の場合は各地方局の取り分を考慮しなければ全
国放送は成り立ちません。
よって一定以上のクオリティを保った番組を制作するには少しでも高いCM料金を確保せねばならず、マイナーな分野の番組は切り捨てられるか、深夜の時間帯へ押しやられました。
しかしBSデジタルならば事情が変わってきます。
BSデジタルの場合は中間業者たる地方局の介在なしに視聴者に番組を届けることができます。
衛星使用料などは必要ですが、地方局に流れていたCM料金に比べれば微々たるものです。
つまり地上デジタルに比べてBSデジタルではキー局の取り分の比率が大きい分、全体としてはより安価なCM料金でも全国放送が成り立つのです。
このアドバンテージを利用してBSデジタルでは視聴率は低めだが逆に一定以上の視聴率が期待できるマイナーな分野の番組制作に着手することになります。
それはマイナースポーツの中継であったり、鉄道・車・歴史・美術といった好きな人は好きだけれども、好んで番組を見る人の絶対数が少ないものを扱った番組です。
地上波に比べて全国放送のコストが少なくてすむBSデジタルですが、だからといって安いCM料金では地上波に並びうる番組作りをすることは不可能です。
あくまでも低予算番組ならば採算が成り立つというレベルでしかありません。
そのため低予算で作ってもある程度の視聴者数が期待できるニッチな分野の番組作りに方向が向いてしまう傾向があります。
逆に地上波は高い視聴率を取るのが至上命題であり、既にある成功パターンに集中してしまう傾向があります。
ある番組がヒットするとそれに類似した番組が他局にいくつもできたり、深夜の時間帯ではいろんなバリエーションの番組内容を持っていたバラエティ番組がゴールデンタイムに放送時間が変更してからは最も視聴率の見込めるワンパターンの番組内容になったりしているのがそれです。
この「地上波⇒一点集中」「BS⇒多様化」の番組作りの傾向はこれからも続くものと思われます。